YZ250X(BRY)純正CDIの点火マップ解析
前々回の記事で純正CDIを机上で動かすことができたことは書いた。なので、いよいよ中身の解析を試みた。やり方としては、TPS用電源のL端子と、TPS入力用のY端子に適当なボリュームを付けるだけ。全閉時と全開時の電圧は現物TPSからだいたい合わせた。ただ測定しているうちに、同じ回転数で何回かスロットル開度を変えていくと、おなじ電圧をY端子に入れているのに、点火までの待ち時間が変わることがあった。これは多分スロットル全閉時のセンサ値を都度都度学習しているのだと思う。またCDIに電源を供給してから、ボリュームに触るまでと、一度触った後で元のボリューム位置に戻した場合でも点火までの待ち時間が変わることも分かった。これもスロットルが多少動いたのを確認して(スロットルセンサが確実に接続されていることを確認するため)から点火時期に反映しているのだと思う。純正らしい細やかな心配り。もしホントはスロットル全開なのにドカドカ進角してたら怖いからね。
点火マップ

これが点火マップ。TPS未接続時に、全開時(要はもっとも遅角している)のマップと同じになるのは予想通りだが、特に低開度において非常に細かくマップを変えていることが分かる。だいたい低開度時は進角開始を遅らせて、開け始めのドン付きを抑えているように見え、開度が大きくなっていくと、進角開始も最大進角に至るまでの傾きも大きくなり、パンチを出しているのかな。10000オーバーで、全開だけなぜかちょっと進角しているのはよくわからないけど、この辺はまあほぼ回らない領域なのであまり関係ない。あとレブリミットは存在してなくて、実測で点火波形は22000rpmまでは確認できた。この辺だともう第二波点火してるだけなんじゃないかな?たぶん。マイコンで計算しているかはわからないけど。
あと気になるのは、全開の時に顕著なのだけど、4500で遅角開始して、そこから下がりっぱなしかと思いきや5000回転から進角を始めるところ。そして7000からまた遅角していく。こんなマップ見たことないけど、これってひょっとしてYPVSの動作範囲と被ってるんじゃないかなという予想。YPVSが全閉じのときのチャンバーに乗る回転域は4500まで。そんでそこから上は反射波に合わせるためにどかっと遅角して行って、5000からYPVSが開き始めてくるから排気タイミングは早くなる=反射波が帰ってくるのが早くなる分とを相殺するように進角して、開き切ったら後は遅角、みたいな感じかなと想像している。
生データとパワージェットカットソレノイド動作について

こっちは生データ。これに一番右に書いてあるけど、パワージェットカットソレノイドの動作も確かめてみた。PWJカットソレノイドは、7500rpmのスロットル開度23-50%の間オンしていて、8500rpm以降のスロットル開度23%以上はずっとカットしていることも分かった。なんで7500から8500の間は、ちょこっとカットしてみたりしてるのかわからないけど、まあとにかくデータは取っておくのが大事ってことで。あとでわかることも多いから。
測定条件なんかは以下の通り
基本的にピックアップ第一波の電圧が3Vに達した点から、点火信号までの時間を測定して、そこから逆算して点火時期を求めている。そのためにはPU1が入るタイミングが分からないといけないのだけど、これはタイミングライトで測定したある回転数における既知の点火時期から逆算してこんなもんじゃないかなで38度に決めた。なんで3Vでもってマイコンに第一波の信号が入ったと見做せるかってのは、同じように既知の点火時期から逆算もしてあたりを付けたりもしたけど、純正等価の回路でテスト用CDIを作ったときに確認したから。

テスト用基板実機テスト その2 エンジン始動! - TUTCミツケ支部
だいたい3Vくらいのときに紫のピックアップ第一波検知信号がGNDに落ちている。
あと話を第一波検知タイミングに戻して、38°であろうと考えたもう一つの理由としては、ここ YZ250/125の点火時期測定と、第二波点火時期の遅角 - TUTCミツケ支部 に書いたように、第二波による点火はBTDC5度で来る(でしょうたぶん)ことが分かっているので、そこからピックアップ第一波と第二波の角度をプラスしてやれば、第一波が入るタイミングが分かることになるからというのもある。そして第一波と第二波の角度については、どうしたもんかと思ったけど過去の自分が調べてた。マジで忘れてるな。

YZ250 純正CDIとチャージコイル、ピックアップコイル波形の調査 - TUTCミツケ支部
というわけで第二波が5度できて、そこから33度手前で第一波が来るから38度でしょう。二通りの方法で確かめて、代替同じ値になったということは多分合ってるでしょう。
お友達からあとはMY22以前の250X(BF1) 、MY22以降の125、125XのCDIを借りて調査すればさらに面白いことが分かりそう。