ランクル70 ワイパーモーター巻き直し

走行中ワイパーを操作したら突然停止した。

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この位置から戻らない。HI,LO,INT,OFFのどのポジションに入れても動かない。しばらくすると突然動き出した。どこかの接触不良かと思われた。

配線図を見ると、ワイパーはワイパーモーター、コントローラー、スイッチ、ヒューズで構成されていることがわかった。そしてコントローラーはINTのみ制御しているので、おかしいのはスイッチか配線かモーターとなる。

ヒューズは明らかにおかしくないが一応交換し、スイッチ周りをバラして接点を磨いてみたり、コネクタの接点を確認して接点グリスを塗ってみたりしたが症状は翌日に再発した。相変わらずしばらくすると元に戻る。

INTやLOにして定位置まで戻らないがHIなら動く、と言うのならモーターユニットの接点がおかしいはず。そしてスイッチからモーターまでの配線はHIとLOで別なので同時にイカれることは考えづらい。と言うことでモーターをバラしてみることにした。

ブラシはまだ残っているし、コンミテーターの状態も悪くない。となるとモーター巻線そのもののレアショートによりトルクが弱まっている可能性があるが、この記事執筆時点でまだ確定はしていない。コンミテーターの各セグメント間にテスターを当てて確認してみても明確なショート、地絡は確認されなかった。メガーやグローラーがないのでこれ以上は確認できない。

とりあえず考えられる楽チンな対処法としては、適当なモーターに交換してみて様子を見ることだ。しかしランクル70の24Vワイパーモーターはもう生産中止なので、ヤフオクでも高騰している。そこでASMOのモーターなら大体一緒なのではと考えてダイナのモーターを手に入れてみた。

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結果、ウォームギア、ベアリング径、コンミテーター径等まるきり一緒だったのだけど、悲しいかなアーマチュアの径がダイナの方が5,6mm大きかった。と言うわけで流用はかなわず。

ここで転んでもタダでは起きたくない精神がムクムクと起き上がったので、巻線を巻き直すことにしてみた。いきなり本番は怖いので使い道のないダイナのモーターの線をバラしてみた。

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バラしながら巻き方をメモしていく。分かったようで分かっていなかったモーターの巻線の仕組みの理解が深まって楽しい。巻線自体はワニスも無くニッパーで切ればすぐバラせる。巻線の太さは0.44mm(後で分かったが被覆が20μmあるので線径呼びは0.4mm)、1セグメント(で、呼び方いいのかわからない)あたりの巻き数は45回だった。

 

早速オヤイデ電機でPEWのマグネットワイヤーを購入し、巻いてみた。

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巻いていくと、なるほどモーターみたいになってきたという当たり前の感想を抱くが、市販品を購入することしかないものを自分で作ってみて同じ形になった時になる感情、わかってくれる人もいると思う。

動画は面倒なので載せないが、これで問題なく動き出したので、やり方としては間違いないと言うことが確かめられた。と言うわけで満を辞してランクルのモーターをバラしてみる。

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やることは全く一緒だ。ランクルのモーターも0.4mmの線を43回?巻いてあったが、手に入れた0.45mmの線で巻いていくとスロット内に収まらない可能性があるので、40回で巻いていくことにした。ただ巻いていくほどにスロットに収めるのが厳しくなり、かなりギリギリだった。0.45なら30回くらいがいいとこな感触だが、あまり減らすとスピードが上がりすぎそうで怖い。どちらにしろ終盤にしかキツキツ具合はわからない上に、終盤で巻き数を変えるわけにいかないので、出たとこ勝負で今回は巻いた。ちょっと鉄心からはみ出してケースに当たって被膜が破れてショートしたりしそうだが、まあその時はその時でまた直せばいいやの気持ちで終わらせた。

結果、スピードは今までの2割増しくらいになり、非常に調子良く回る。まだちょろっとしか走っていないので停止する不具合が解消したかはわからないが、もし再発したらまたトラブルシュートをすることにしたら今回はお茶を濁した。

 

2024/5/10追記

原因を突き止めたが、助手席側ワイパーが少し長く、窓枠にワイパーの先端が引っかかり停止してしまうというしょうもないオチだった。純正40cmに対して43cmでもいけるだろうと取り付けたものがいけなかった。同じく運転席側も43から48に変更していたのだけど、やや干渉しているので45にしてみることにする