ハードエンデューロ入門にYZ125Xが最適な理由

これからハードエンデューロをやってみたい!でも初心者には125がおすすめって人もいれば大排気量がいいよって人もいる.セルがないとキック地獄で死ぬとか,キックがなくてバッテリーが上がったら殺されるみたいな話も聞く.そして新車がいいのはわかってるけど外車は100万超えるし,YZXだとセルがないし,かといって外車中古車も不安.もう一体なにを買えばいいの!?という悩める若人へ告ぐ.いますぐ最寄りのヤマハオフロードコンペモデル正規取扱店またはエンデューロに強いお店に行って,YZ125Xの新車を予約してきなさい.

 

「でもYZXってセルないし,15年前から設計の変わってない性能の低いバイクなんでしょ?それよりは最新のテクノロジーで開発された外車EDレーサーに乗ったほうが上達が早いんじゃないかなぁ」

なんて思っていませんか?そんなことはありません.上達の早さとかは,YZだから遅い,外車だから早いとかいうことは全くなく,ヤマハだろうがKTM&Husq,Betaだろうが少なくともエンデューロレーサーとして作られたバイクを新車で買っておけば,マシンの性能のせいで上達しないことはないと思います.なかなか上達しないと嘆いている人はまず毎週乗ってません.毎週格上の人と乗っている人はみるみるうちに上手くなってますし,マシンの性能に文句言ってる人は隔週程度しか乗らず,しかもゆるふわしかやらないのでだいたい下手なままです.この毎週(できれば土日2日とも)乗るという行為に対し,金のない若人にとって一番の足かせとなってくるのがマシンの信頼性と経済性なのです.マシンが壊れれば乗れない.直す部品が高くて買えない...買うお金はあったとしても,国内在庫がなくて1週間では届かない...これではモチベーションも冷めるでしょう.その点YZXであれば,まず圧倒的な信頼性を持つ国産であることから壊れにくい!そしてセルやFI,オイルインジェクション等故障の原因になる部品がそもそもついていない!部品が安くて頼んで2日後には必ず届く!といいことづくめです.しかもヤマハ純正アプリでパーツリストが見られるし,Webikeで部品が頼めるので,もし走行中に破壊した部品があってもその場でスマホで部品を調べ,その場でWebikeで注文すれば,遅くとも2日後,下手すりゃ翌日にはあなたの手元に新品部品が届くのです! もう「さっき壊した部品いくらするんだろ,帰ったら部品調べて発注しなきゃ.萎え.酒飲みた」みたいなまんじりともしない気持ちでその後の走行をする必要は一切ないのです!これを革命といわずして何と言おうか.こんな世界で最もオンデマンドなエンデューロライフを提案できるのです.そう,YZXならね.

 

「安い安いっていうけど,どれだけ違うの?」

2020/11現在,新車価格税込み638,000円です.店によって値引きは違うでしょうが,まあ実売60~63万くらいで買えるでしょう.これにガード類やらを追加して+10万~15万.平均75万くらいでやりまくれるマシンが手に入ります.

対抗馬としておなじく小排気量のKTM 150 EXCで比較してみると,車体が105万+ガード類12万として,117万円.

117-75=42

冷静に計算してみてびっくりしましたが,42万円ですよ.

42万円あれば1年分のハードエンデューロ生活費を賄えるんじゃないか?と思いちょっと計算してみました.

タイヤ F ¥8000×3本 R ¥11000×8本 ¥112,000-

ガソリン 平均6L/日 ¥135/L 年間練習80日(平均週1.5回)として ¥64,800-

エントリーフィー ¥15,000/回 年間6戦として ¥90,000-

ここまでで26万.まだまだ賄えます.レースや遠征のガソリン代や高速代も入れてみましょう.

レース遠征費 ガソリン,高速,宴会等含み ¥20,000/回として ¥120,000-

これは住んでる場所や,相乗りする人がいるか,どれだけ宴会に本気をだすかによって変わってくると思いますが,東海地方在住の僕の場合は,CGCにでる場合なら,2人相乗りで往復高速使ってもいつも2万くらいで収まっています.

これでもまだ余るのでついでにエンジンOH代(ピストン,リング交換)も突っ込みましょう.

エンジンOH 3回/年 ¥12,000/回として ¥36,000-

これで〆て¥422,800-

 

KTMを買うお金があれば,車体と1年分のタイヤ,ガソリン,エントリーフィー,遠征費,エンジンOH代がすべて賄えるのってすごくないですか?セルとFIに目がくらみさえしなければ,こんな夢のようなプランが実現できるのです.実際ローンで買うなら薄く延ばされるのでこの価格差はあまり気にならないかもしれませんが,冷静に計算してみるとかなりでかい.さらにYZはKTMに比べてリセールも良いので,実際の価格差はさらに広がることになります.だいたいリセール相場は年式問わず35~45万程度です.30万切ることはまずありません.

あなたが若ければ若いほど(お金がなければないほど),YZを買うべきだというのがご理解いただけたでしょうか. 

 

 

「キックが不安だし,125は辛いみたいな話も聞くけど...」

これはYZに限った話じゃないですが,125がハードエンデューロでは辛いとか,キックが辛いとか言ってる人の99%はまともに125㏄を所有したことのない人たちです.無視してかまいません.125ccのキックは手でもかけられるほど軽く,またコツ等必要ないほど転倒後の始動性も良いので,キック未経験でもすぐ慣れると思います.

また125という排気量についてですが,CGCゲロゲロクラス程度までなら排気量が原因で辛い思いをしたことはないです.というか,コースレイアウターもプロなので,G-netならいざしらず,CGCで125が回れないセクションは作りません.

「125が辛いから乗り換えたい」というセリフは,最低でもゲロゲロ回ってからいうべきかなと思います.ゲロ回れないのは125のせいじゃなくてただの練習不足です.125Xでゲロ回れない人はBetaに乗ろうがKTM250EXCに乗ろうが回れません.上達するにはまずは練習時間.とにかく乗る.あとは考えて乗る.脳死状態で同じことを繰り返さない.これに尽きると思います.

もちろん最初は投げます.リカバリーの仕方や,投げないやめ方を学ぶまでの間は必ず最悪になります.当然あり得ない回数の谷側転倒を繰り返すことになると思います.この時に,125のもつ圧倒的軽さはとにかく武器になります.倒れたバイクを引き起こすことで仕上がって,結果バイクに乗っている時間が少なく上達しない,これはともすれば陥りがちなパターンです.バイクに乗車していないのに体だけは疲れて「なんとなくやりまくった感」が得られるのでタチが悪いのです.125なら,この引き起こしにエネルギーをあまり使わないので,結果的に乗車時間が増えます.つまり,誰よりも早く成長できるのです.

ちなみに僕はWR250F(初期型キックのみマニュアルデコンプ)で日野ハードエンデューロミディアムクラスで初ハードエンデューロデビューし,最下位を記録かつレース後1時間ほど椅子に座ったまま動けなくなるほどの仕上がりを見せ,その6か月後にはYZ125Xを手に入れ,さらにその2か月後には同じく日野ハードのミディアムクラスにて優勝しています.このエピソードからも,125Xがいかに良くできているか,また125ccという排気量がいかに乗り手を上達させるかがよくわかると思います.

 

 ほかにもいろいろYZ125Xがよい理由はいくらでもあげられるのですが,すでに金麦500ccと白鶴まるを2合飲んでしまったので,あとは男中田さんが書いてくれることを期待して,このあたりで筆をおきます.おやすみなさい.