TMX38の不具合について

海外掲示板を眺めていたらこんな記事を見つけた.

https://thumpertalk.com/forums/topic/1304514-2020-yz125x-first-impressions-and-review/page/6/

 

調べてみると,どうやらKTMミクニになった2017モデルで発覚したらしい.

 

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これはひどい.真ん中のでかい穴がメインノズルが出てくる穴で,下の小さい2つの穴がパイロットジェットからくるガスのバイパスポート.このガスケットが変形していると,負圧の小さいメイン側からエアを吸ってしまうので,バイパスポート側の負圧が弱まることになる.つまりスロットル開度が1/8以下程度のときにスロー系から吸い出すガスの量が減ることになる.他にも霧化云々の話はあるかもしれないが,とりあえずスロー領域が薄くなることは間違いないと思う.そもそもここの穴の形状や距離でスローとメインのつながりを設計しているのに,これでは話にならんだろう.

 

ちなみにこのバイパスポートについて調べていたらちゃんと特許がでてきた.

特開2002-021640 摺動弁式気化器 株式会社ミクニ

特許情報プラットフォーム(下記リンク)で特開番号で検索したら読める.

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/

 

で,これの対策品として,JD Jettingがキットを出していた.

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このガスケット,こいつを外すためのトルクスビット,フロートバルブのOリングが付いてくる.フロートバルブのOリングもどうやらTMXの弱点らしい.サイズがわずかに太くて,エタノール含有ハイオクにも対応した対策品とのこと.

JD Jettingの公式サイトからは日本に発送できなかったので,ebayで買った.多少高いが送料込み2000円くらいならまあいいか.

www.ebay.com

 

2週間弱で商品を受け取り早速取り付け.

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Oリングはわずかに太い.確かに純正の嵌合は緩めだったので,多少ヘタっただけで漏れてきそうではあった.JDのやつはシリコングリスを塗って,キツめにハマるくらい.

 

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左がJD対策品,右が純正.純正も写真だとよくわからないけど,わずかに変形していた.さすがに一枚目の画像ほどではないが,ほっとけば膨潤して同じことになりそうな気配.あと純正はほんとに薄いゴムシートって感じだけど,JD対策品はメタルガスケットっぽい質感で厚みがあって硬い.そして変形しちゃいけない部分の幅が広いので安心感はある.

 

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すべてを組み付け,念の為油面を再調整.

 

ちなみにこれは今年購入した走行15時間ほどのYZ125Xでこうなっていたので,なんかスローの調子がいまいち出ない車両は不毛なセッティング沼にハマる前にはやめに確認したほうが良いかも.