YZ125系の燃費対策について その1

YZ125Xでハード系をやってる人の評判を聞くとどうも125Xは燃費が悪いらしい.確かに動画,画像を見たりすると,なんでもないような角度の坂でわりとじゃびじゃびオーバーフローしている.YZ250Xはそこまでこぼさないようなので,なんとなくだがキャブに原因がありそう.その原因についてあくまで推測だけど考えてみた.

ちなみにYZ125/Xのキャブはミクニ TMX38,YZ250/Xのキャブはケーヒン PWK38(ショートボディ)となっている.

 

推測1. 油面が高い

これについては油面が新車状態でキャブの規定値より高くなってしまっている場合と,規定値なんだけどもともと油面とオーバーフローパイプの距離が近い設計になっている場合が考えられる.

前者については,なんでそうなっているのかはさておき油面を規定値まで合わせてやればよいだけの話だけど,後者の場合はちょっと厄介.もともとTMXがロード用あるいはモトクロス用に開発されていた場合,そこまで長時間傾斜のあるところに居る用途を考えていない可能性がある.ただ,わりと大したことない斜度でもおもらししている様子だし,ロードにおいても勾配のあるサーキットはあるわけで,その坂を登っている最中にジャバジャバこぼしていたらすぐキャッチタンクが一杯になってしまうだろう.というわけで前者が原因のような気がしているんだけど,仮に油面が規定値に入っていたとしても,既定値より下げる選択もありだと思っている.というのも油面が空燃比に及ぼす影響は,あくまで吸入空気量が少ない領域がメインだからだ.吸入空気量が少ない,アイドルポート,スローポートからの燃料供給が支配的である場合,油面の変化にもろに影響を受ける.なので油面をちょっと下げてもエアスクリュの調整程度で帳尻を合わせられるはず.

以下参考,FCRセッティングマニュアルより.

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吸入空気量が少ない領域で油面が大きく影響する理由について詳しく知りたい場合は下記リンク

http://glanze.sakura.ne.jp/carburetor.html

なにはともあれ,実油面を確認するにはSSTが必要となる.TMXにはドレンがないからだ.サービスマニュアルによれば,フューエルレベルアダプター 90890-01470 があれば,メインジェット交換用の蓋をこいつに付け替えて実油面を見れるらしい.値段を調べたら2000円くらいしたのでちょっと悩む.ただの蓋は1000円で売ってたので,こいつをもとにそのへんに転がってる材料で同等品を作ろうと思う.

 

2. フロートバルブのシマリが悪い

油面だけが原因ってのも考えづらいなーといろいろ調べていたら,こんな記事を発見.

http://nagsed.sblo.jp/article/183691878.html

フロートバルブシートの径とは盲点だった.これも原因の一つとして考えられるので,TMX38のバルブシートを調べてみると,どうやら直径3.3と3.8の2種類がある模様.

3.3mm ミクニ品番786-36011-3.8

3.8mm ミクニ品番786-36011-3.3

YZ125はどっちかなととりあえず純正品番を調べてみたら,4PE-14107-38となっていた.意味ありげな下二桁...というわけでおそらく3.8.

3.8から3.3にすると,面積的には0.75倍となるので,ガソリンがフロートバルブを押す力も25%低減できることになる.接触幅が変わらないとすれば接触面積も13%ほど減るので面圧は都合38%ほど増える計算。もちろん流量も25%オフになるが,同じキャブ使ってる125ロードレーサーのほうがパワーも出てるし,圧倒的に全負荷域を使う時間も長いだろうし,それでも最大3.8mmで対応できるってことは多分サカ登るくらいなら大丈夫.ちなみにFCRは1.6~4.0まで設定がある模様.同じ口径を単発から4発まで使うからこれだけ幅広い設定になっているんだろう,多分.

 

3.まとめ

とりあえず新車が来たらまず油面測定&どれだけ傾けたらオーバーフローするか試験.その後油面調整して,お漏らし治らんようならフロートバルブシート交換.こんな感じでやってみる.

 

つづき

tutc-mitsukesibu.hatenablog.com